日本の風情【お正月飾り】

門松やしめ縄などのお正月飾りの由来と意味

もともと正月行事とは、年神様というその年の神様を迎え、祀るために行われてきたものです

農耕民族だった日本人にとって、五穀豊穣の神である年神様は大事な神様として考えられていました。また、生きる力や幸せをもたらしてくれるといわれていることから、お正月が近づくと門松やしめ縄を飾り、年神様を祀る準備をしていたのです。

門松にあしらわれている『松・竹・梅』には、それぞれに意味があります。

松は「祀る」につながる樹木ということで、おめでたいことから用いられます。

竹は2~3日ほどで背丈ほどに伸びることから、生命力の象徴という意味合いがあります。

新春に咲く梅は、1年の始まりにふさわしい花として飾られ、門松には紅梅と白梅の両方飾るのが一般的です。

玄関先にしめ縄を飾るのは、神社がしめ縄を張りめぐらせているのと同じ意味で、神様を祀る神聖な場所に不浄なものを持ち込ませないためとされています。

しめ飾りは、しめ縄に縁起物を飾り付けたものです。代表的なものに、清浄な心を表す裏白、神の力が宿る紙とされている御幣、その家系が長く続くことを願うゆずり葉などがあります。

鏡餅は、神事によく使用される鏡と人の魂を丸い形の餅で表したものです。餅は本来、神様に捧げる神聖なものとしてお祭りやお祝い事に欠かせない食べ物とされて言われていました。

2つの餅は陰と陽で表され、餅を重ねるのは「円満に年を重ねる」という意味が込められています。

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飾る日と片付けるタイミング 正月飾りを飾る時期

日本の暦での「正月事始め」である12月13日以降ならいつ出しても大丈夫

現在の日本では、クリスマスの過ぎた26日頃から飾り始めるのが一般的になりつつあります。

年末の中でも28日は末広がりの「8」、30日はキリが良い数字として、その日に合わせて正月飾りを飾る家庭も多いようです。

一方避けた方がいい日は29日と31日と言われています。29日は「苦」を連想させる数字であることから敬遠され、31日は葬式と同じ一夜限りなのは縁起が悪いとして避けられます。

また、片付けるタイミングは関東・関西など地方によって異なりますが、一般的に1月7日あたりから片付け始める傾向があります。

門松を飾る期間のことを「松の内」といい、もともとは小正月の1月15日までと考えられていましたが、近年は「七草がゆ」を食べるとされる7日までの認識になってきているようです。

正月飾りの処分方法 昔懐かしどんど焼き

お正月が過ぎれば、神聖な正月飾りをどう処分しようか悩まれる方も多いでしょう

昔の日本は、小正月の1月15日に「どんと焼き」という火祭りで、集められた正月飾りを焼いて、奉納していました。今でも神社などでどんど焼きは行われているので、近くの神社を調べてみてください。

もし、都合がつかず1月15日に神社に行くことができない場合は、庭のある一戸建てであれば自宅で処分することもできます。自宅での処分方法は、庭の土を塩と酒で清め、その土の上で正月飾りを焼きます。その時に出た灰は、そのままにせず、新聞紙などで包んでごみ箱に捨てましょう。

また、マンションなど自宅で燃やすことが難しい場合は、大きめの紙を用意し右・左・中と塩を置いたら、その紙に正月飾りを包み、他のごみとは別にし、1つのごみ袋に入れて、ごみに出すという方法もあります。

なお、地域によって処分方法のルールが異なることがあるので、お住いの地域での決まりがあれば守るようにしてください。

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